腸は「第二の脳」とも呼ばれ、ストレスの影響を受けやすい器官。「腸をいたわるべき6つのサイン(後編)」では、そんな重要な腸を穏やかに整える方法を見ていきましょう。
腸はもっとケアされるべきです
腸の健康を守るにはどうすればいいかを知るのは、何をしてはいけないかを理解することから始まります。腸の一時的または軽微な不調の原因は、腸内微生物叢(体内に生息するバクテリア他の微生物)のダメージです。消化や免疫、新陳代謝、心の健康などには、腸内微生物が大きく影響するためです。微生物叢のバランスを改善するために避けていただきたいものの例を、ここでご紹介します。
- 抗生物質: 抗生物質は「良い(善玉)菌」と「悪い(悪玉)菌」を区別できませんので、腸内バクテリアを全て死滅させてしまいます。健康的なバクテリアバランスは健全な新陳代謝や脂肪の燃焼を助け、正常なホルモンレベルや脳機能、前向きな気分などをサポートしてくれます。
- ストレス: 日々のストレスが下がると、腸内微生物叢のバランスが保たれ、全身の健康増進につながります。前述のように、バランスが変わると頭がぼうっとしたり気分がすぐれなくなったりして、日常生活に影響が出ます。
バランスを維持する
前述で触れたような消化器系のトラブルがあった場合にお勧めの、腸内微生物叢のバランスを取るためのアクションをいくつかご紹介しましょう。
正しい食生活をおくる:
善玉菌だけに栄養を与える食生活を心がけましょう。野菜や果物、ナッツ類がお勧めです。悪玉菌に栄養を与えないためには、加工食品やパン、パスタ類の摂取を控えると効果的です。
プレバイオティクスを多めに摂取する:
プレバイオティクスは天然由来の難消化性食品成分であり、腸内の善玉菌の生育に役立ちます。プレバイオティクスをしっかり摂取するには、バナナなどの果物、玉ねぎ、ニンニク、アスパラガスといった野菜、小麦、オーツ麦、キヌアやキビ、チアシードを始めとする雑穀などを含む未精白の穀類を意識的に摂ってください。
抗生物質に頼り過ぎない:
抗生物質はバクテリアを全て死滅させてしまうため、必要な時のみ使うように注意してください。
発酵食品を食べる:
発酵食品には、腸内バクテリアの生態系を健康に保つ働きがあるプロバイオティクス(善玉菌)が豊富に含まれています。代表的な発酵食品には、みそ、ザワークラウト、ヨーグルト、キムチなどがあります。
日々のストレスを管理する:
日々のストレスが軽減されれば、腸内の善玉菌バランスを維持しやすくなります。健康的なバランス維持には、ストレスの管理方法を知っておくことが不可欠です。日常的なストレス軽減には、瞑想、ヨガ、友人や家族との時間、適切な睡眠、そしてアロマテラピーなどが効果的です。
健康のために腸の健康を最優先しましょう。特に、主要な体機能の多くに影響を与える腸内微生物叢のバランスを維持するよう心がけてください。まずは健康的なライフスタイルでバランスをキープし、その上でちょっとした胃腸のケア(プロバイオティクスの摂取など)をすれば、健康の必須要素である微生物叢のバランスは大きく変わってきます。